令和元年度 馬場記念病院 病院指標

内科は各専門診療科に分けてみる場合と総合してみる場合があります。
循環器内科では心臓疾患を主に担当しております。頻脈性不整脈に対し、不整脈のカテーテル治療を行っております。
一般内科では肺炎の高齢の方が多く平均在院日数も長くなる傾向にあり、間質性肺炎で入院される方も多く、
平均年齢が７９．８９才と高齢であり在院日数も長くなっています。
狭心症、慢性の虚血性心疾患等に対し経皮的冠動脈形成術（ＰＣＩ）を受けられた方も多くみられます。

消化器内科では消化管出血や炎症性腸疾患などの消化器疾患に対応しております。
胆石に対する内視鏡的乳頭切開術や、内視鏡的胆道ステント留置術を行っております。
誤嚥性肺炎や尿路の感染症、下部尿路疾患（急性膀胱炎など）、食道、胃、十二指腸、その他腸の炎症（急性胃炎、急性腸炎など）が多くみられます。

外科では胃癌・大腸癌など消化器の癌をはじめ、救急病院として外傷や急性腹症にも対応しております。
鼠径ヘルニア、胆嚢疾患（胆嚢結石など）、胆嚢炎、大腸癌、腸閉塞の治療・手術を行っております。
胆嚢疾患・胆嚢水腫・胆嚢炎等における腹腔鏡下胆嚢摘出術による治療を受けられた方は全国の平均在院日数と比較すると早期の退院をしています。

脳神経外科では脳梗塞が多く、２番目には頭蓋・頭蓋内損傷（外傷性くも膜下出血・急性硬膜下血腫・慢性硬膜下血腫など）が多くみられます。
３番目は頭蓋・頭蓋内損傷で手術をされた方となり、４番目はてんかんが多くみられます。
ＪＣＳとはＪａｐａｎ　Ｃｏｍａ　Ｓｃａｌｅの略で意識障害レベルを表す指数となります。
非外傷性頭蓋内血腫（視床出血・被殻出血など）で入院される方が多くみられます。
当院では急性期病棟以外に回復期リハビリテーション病棟があり、各項目の平均在院日数については
当院に入院してから退院した日（回復期リハビリテーション病棟含む）となります。
急性期病棟のみの当院平均在院日数は脳梗塞１９．３１日で、頭蓋・頭蓋内損傷（手術なし）８．７１日、
また頭蓋・頭蓋内損傷（手術あり）では１１．５８日となります。

形成外科では顔の外傷・変形・全身の皮膚その他の腫瘍や熱傷に対応しています。
対応件数では顔面損傷（外傷）、次いで皮膚腫瘍の順となります。
顔面損傷（外傷）の平均年齢は２７．０５才と若い方が多くみられます。

整形外科では入院の方の多くが股関節周囲骨折（大腿骨頸部骨折など人工骨頭挿入術を伴うもの）の方となります。
胸椎・腰椎以下骨折損傷（胸椎骨折、腰椎骨折など）、前腕の骨折（手術あり）、肘関節周辺の骨折、脱臼や鎖骨・肩甲骨の骨折の方が多くみられます。
股関節周囲骨折の方は転倒により骨折されるケースが多く高齢の方に多くみられます。
肘関節周囲骨折と前腕の骨折も転倒により骨折されるケースが多いのですが、こちらは平均年齢４２．７６才と高齢でない方も多くみられます。
当院では急性期病棟以外に回復期リハビリテーション病棟があり、股関節周囲骨折の平均在院日数３４．０２日については
当院に入院してから退院した日（回復期リハビリテーション病棟含む）となり、当院での急性期病棟のみの平均在院日数は２５．３６日となります。

神経内科では主に脳血管疾患、変性疾患等を診療する科となります。
当院ではてんかん、前庭機能障害で入院される方が多く、前庭機能障害による入院は早期の退院をしています。
高齢の方に多い誤嚥性肺炎、脱水症で入院される方も多くみられます。
睡眠時無呼吸症候群に対し睡眠時無呼吸検査（PSG）を行い一泊入院して頂き翌朝に退院しております。

不整脈部門で心房細動、心室頻拍、上室性頻拍のカテーテル治療を行っており、経皮的カテーテル心筋焼灼術では術後約３日で退院しております。
また狭心症の方への２番目の手術（経皮的冠動脈ステント留置術）は術後約８日で退院しております。
３番目の胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術）とは口から物が食べられなくなった方、
食事の時に誤嚥することが多く肺炎のリスクが高い方などに用いるもので、胃に直接栄養を入れる為の管（経路）をつくる手術になります。

総胆管結石、胆管炎の方に行われるのが１番目の内視鏡的胆道ステント留置術になります。
２番目と３番目の大腸や胃のポリープに対し内視鏡を用いて切除する、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術や内視鏡的胃、
十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層）が次いで多く行っております。
４番目の内視鏡的消化管止血術は消化性潰瘍等からの出血に対し行われる手術となります。

腹腔鏡下胆嚢摘出術は胆のう炎、胆のう結石の方に対し行われる手術となり、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術は大腸癌に対し行われる手術となります。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は鼠径ヘルニアに対し行われる手術であり、術後平均１日前後で退院しております。

慢性硬膜下血腫の手術（局所麻酔）が一番多く、次いで脳梗塞に対しての脳血管内手術（全身麻酔）、経皮的脳血栓回収術（全身麻酔）となります。
脳動脈瘤に対しての脳動脈瘤頸部クリッピング、脳出血に対しての頭蓋内血腫除去術（開頭）（脳内）の順となります。

顔面損傷による鼻骨骨折の手術になり年齢層も平均年齢２３才と若い方が多く、手術も含め１日の入院期間となります。

大腿骨頚部骨折の手術が最も多く、次いで股関節部の人工骨頭挿入術、下腿骨折の手術、鎖骨骨折術の順となっています。
骨内異物除去術とは手術の時に入れたプレートや、スクリューを抜く手術となります。
大腿骨頚部骨折と股関節部の人工骨頭挿入術は回復期リハビリテーション病棟に転院される方が多く、平均年齢も８０才以上と高齢となっています。

胃瘻造設術とは口から物が食べられなくなった方、食事の時に誤嚥することが多く肺炎のリスクが高い方などに用いるもので、
胃に直接栄養を入れる為の管（経路）をつくる手術になります。
特に脳梗塞後遺症などで、経口摂取が困難な方に適応があれば胃瘻造設術を行っております。