令和２年度 馬場記念病院 病院指標

内科は各専門診療科に分けてみる場合と総合してみる場合があります。
一般内科では誤嚥性肺炎で入院される方が最も多く平均年齢が８０．７６才と高齢であり在院日数も長くなっています。
循環器内科では心臓疾患を主に担当しております。
高齢の方に多い疾患の頻脈性不整脈に対し、不整脈のカテーテル治療を行っております。
狭心症、慢性の虚血性心疾患等に対し、経皮的冠動脈形成術（ＰＣＩ）を受けられる方が多くみられます。

消化器内科では消化管出血や炎症性腸疾患などの消化器疾患に対応しております。
胆石に対する内視鏡的乳頭切開術や、内視鏡的胆道ステント留置術を行っております。
誤嚥性肺炎、憩室性疾患、食道、胃、十二指腸、他腸の炎症（急性胃炎、急性腸炎など）が多くみられます。

外科では胃癌・大腸癌など消化器の癌をはじめ、救急病院として外傷や急性腹症にも対応しております。
鼡径ヘルニア、大腸癌、胃癌、胆嚢疾患（胆嚢結石など）、腸閉塞、虫垂炎、の治療・手術を行っております。
胆嚢疾患（胆嚢結石など）における腹腔鏡下胆嚢摘出術による治療を受けられた方は、全国の平均在院日数と比較すると早期の退院をしています。

脳神経外科では脳梗塞が最も多く、頭蓋・頭蓋内損傷（外傷性くも膜下出血・急性硬膜下血腫・慢性硬膜下血腫など）で
手術された方が２番目に多くみられます。
３番目は非外傷性頭蓋内血腫（視床出血・被殻出血など）が多くみられます。
ＪＣＳとはＪａｐａｎ　Ｃｏｍａ　Ｓｃａｌｅの略で意識障害レベルを表す指数となります。
当院では急性期病棟以外に回復期リハビリテーション病棟があり、各項目の平均在院日数については
当院に入院してから退院した日（回復期リハビリテーション病棟含む）となります。
急性期病棟のみの当院平均在院日数は脳梗塞１９．１日で、頭蓋・頭蓋内損傷（手術なし）１2．３日、
また頭蓋・頭蓋内損傷（手術あり）では１５．９日となります。

形成外科では顔の外傷・変形・全身の皮膚その他の腫瘍や熱傷に対応しています。
対応件数では皮膚腫瘍、次いで顔面損傷（外傷）の順となります。
顔面損傷（外傷）の平均年齢は２０．８２才と若い方が多くみられます。

整形外科では入院の方の多くが股関節周囲骨折（大腿骨頸部骨折など人工骨頭挿入術を伴うもの）の方となります。
胸椎・腰椎以下骨折損傷（胸椎骨折・腰椎骨折など）、肘関節周辺、足関節・足部、肩関節周辺の骨折・脱臼の肩が多くみられます。
股関節周囲骨折の方は転倒により骨折されるケースが多く高齢の方にみられます。
肘関節周辺の骨折も転倒により骨折されるケースが多いのですが、こちらは平均年齢が３５．２６才と高齢でない方も多くみられます。
当院では急性期病棟以外に回復期リハビリテーション病棟があり、股関節周囲骨折の平均在院日数３８．５８日については
当院に入院してから退院した日（回復期リハビリテーション病棟含む）となり、当院での急性期病棟のみの平均在院日数は２０．４日となります。

神経内科では主に脳血管疾患、変性疾患等を診療する科となります。
当院ではてんかんや脳梗塞で入院される方が多く、高齢の方に多い誤嚥性肺炎、脱水症で入院される方も多くみられます。
睡眠時無呼吸症候群に対し睡眠時無呼吸検査（ＰＳＧ）を行い一泊入院して頂き退院しております。

不整脈部門で心房細動、心室頻拍、上室性頻拍のカテーテル治療を行っており、経皮的カテーテル心筋焼灼術では術後約２日で退院しております。
また狭心症の方への２番目の手術（経皮的冠動脈ステント留置術）は術後約４日で退院しております。
３番目のペースメーカー移植術（経静脈電極）、４番目の胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術）は
平均年齢が８０才以上と高齢の方に多くみられます。
胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術）とは口から物が食べられなくなった方、
食事の時に誤嚥することが多く肺炎のリスクが高い方などに用いるもので、胃に直接栄養を入れる管（経路）をつくる手術になります。

総胆管結石、胆管炎の方に行われるのが１番多い内視鏡的胆道ステント留置術と５番目の内視鏡的乳頭切開術になり、約７割を占めます。
大腸や胃のポリープに対し内視鏡を用いて切除する、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が２番目となります。
内視鏡的消化管止血術は消化性潰瘍等からの出血に対し行われる手術となります。

腹腔鏡下胆嚢摘出術は胆のう炎、胆のう結石の方に対し行われる手術となり、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術は大腸癌に対し行われる手術となります。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は鼠径ヘルニアに対し行われる手術であり、術後平均１日前後で退院しております。
腹腔鏡下虫垂切除術は平均年齢４５．０才と若い方に多くみられます。

慢性硬膜下血腫の手術（局所麻酔）が１０１人と一番多く、次いで、脳梗塞に対しての脳血管内手術（全身麻酔）、
経皮的頚動脈ステント留置術（局所麻酔）となります。
脳腫瘍に対しての頭蓋内腫瘍摘出術（全身麻酔）、経皮的脳血栓回収術（全身麻酔）の順となります。

大腿骨頚部骨折の手術が最も多く、次いで股関節部の人工骨頭挿入術、下腿骨折の手術、鎖骨骨折術の順となっています。
骨内異物除去術は手術の時に入れたプレートや、スクリューを抜く手術となります。
大腿骨頚部骨折と股関節部の人工骨頭挿入術は回復期リハビリテーション病棟に転院される方が多く、平均年齢も８０才以上と高齢となっています。

胃瘻造設術とは口から物が食べられなくなった方、食事の時に誤嚥することが多く肺炎のリスクが高い方などに用いるもので、
胃に直接栄養を入れる為の管（経路）をつくる手術になります。
特に脳梗塞後遺症などで、経口摂取が困難な方に適応があれば胃瘻造設術を行っております。