実物大3Dモデルを用いた手術支援を開始しました
脳動脈瘤や頚椎症の手術前に3Dプリンター(写真.1)用いて実物大3Dモデルを作成し、活用する試みを開始しました。今までは平面の画像(2D画像)を見ることで、医師が頭の中で立体的にした画像を想像しながら治療していましたが、実物大3Dモデルを用いることで実際の形状がより正確に把握できるようになりました。
作成にはCTスキャンやカテーテルでの実際の患者様の検査データを使用します。それを放射線技師が専用のソフトを用いて加工したものを3Dプリンターに転送することでモデルの作成が可能となります。
活用方法ですが、脳血管内治療の領域では、脳動脈瘤に誘導するカテーテル誘導の参考にします。また、開頭手術の領域では周囲の血管と動脈瘤との関係やクリップのサイズ選択などの参考にします(写真.2、黄色矢印が動脈瘤)。また、頚椎や腰椎病変では術中に削除するべき骨の位置確認、削除範囲の決定に有用です。今まで以上に安全な手術が行えるようになると思っております。
写真.1(日本3DプリンターHPより引用)
写真.2(脳動脈瘤モデル;黄色矢印が動脈瘤)
写真.3(頚椎症モデル;第2-6頚椎を示す)